小林の小噺

原文パパ

二人前半

 

久しぶりのブログ。

にしても雨ウザくね〜?

洗濯物が全然乾きゃあしやぁせんよ。

 

6月に入って、本格的にサマーインターンの募集が始まった。

俺もなんか出さないとな〜と思い、広告代理店などを見ていたところ、電◯が面白そうなインターンの募集をしていたので応募してみようと思ったのだが、、、

 

 

 

提出課題:「二人前半」というテーマで600字の作文

 

 

 

なんだよ「二人前半」って、、、

もちろん「ふたりぜんはん」と読む人はいないだろうが、

一応言付けておくと「ににんまえはん」である。

こんなの書けねぇよ、、、と思いながらも、友人にアドバイスをもらいつつ、なんとか書き終えることができたので、ここで紹介しようと思う。

後に令和の大文豪となる男の童貞作である。

 

 

 

 

 

「二人前半」

 私のアルバイト先の定食屋には、周囲の高校に通う学生達が部活終わりによくやってくる。そんな食べ盛りの彼らのために、オーナーは600円の「唐揚げ定食」の量を、無料で一人前半〜二人前まで変更できるサービスを始めた。今では「唐揚げ定食」が当店の一番人気メニューだ。

 そんな当店に高校入学時から足繁く通ってくれる野球部員がいる。居残り練習でもしているのか、他の部員よりずっと遅くに来店する泥だらけの彼は、二人前の「唐揚げ定食」を、米粒一つ残さずにあっという間に食べてしまう。そんな彼の食べっぷりに惚れたオーナーは、無料で変更できる「唐揚げ定食」の量を「二人前半」まで増やせる裏メニューを彼のために用意したが、それでも彼はあっという間に食べ切ってしまうのであった。

 そんな野球部員である彼にとっての最後の夏が終わって以降、それまで野球道具が詰まっていた大きなバッグには大量の参考書が詰まっていた。受験勉強のストレスによるものなのだろうか。彼の表情は日に日に暗くなり、それに比例するように彼が頼む「唐揚げ定食」の量も、二人前、一人前半と徐々に減っていった。初雪が降る頃には、一人前を頼むようになっていた。

 センター試験を境に彼が店に来なくなった。試験はうまくいったのだろうか。家に篭って机に向かっているのだろうか。ちゃんと栄養は摂れているのだろうか。


 春。久しぶりに彼が来た。表情も明るい。
「唐揚げ定食!二人前半で!」

 

 

 

 

 

 

 

 

元々、ラストにはもう一文「そう言って彼は、米粒一つ残さずにあっという間に食べてしまった。」という文を入れていたのだが、友人のアドバイスにより、スッキリとした粋なラストになった。ありがとう。

 

 

次の更新はいつになるか分からないが、できれば近いうちに適当な記事を書きたいと思っている。今はね。